「本腰を入れる」、「腰を据える」と私達の日常の中でも度々口にする腰は人体の構造でも重要な役割を果たす。
後に話すことになるが腰の形状は人間らしさと言っていいくらい人を人たらしめる。
しかし近年、その人らしさが消え始めてきている。一体どういうことなのか?
少し危機感を持ちながら見ていただきたい。
・構造
腰椎は脊椎の中でも頚椎についで可動域が大きく、体重による負荷が最も大きい部位になる。
そのためよく聞く椎間板ヘルニアもこの部位に多い。
脊椎には①屈曲-伸展、②左右側屈、③左右回旋と3次元の動きがあるが
腰椎は①に特化していて屈曲は最大40°に達する。
しかし、その可動域のピークは13歳でそれ以降は低下していく。
・前弯の必要性
脊椎は頚椎、胸椎、腰椎、仙椎とあり腰椎は前弯(腹部に向かって弓形)になる。
実はこの腰椎前弯形成は人間と一部のゴリラからしか発見されていない。
それは二足歩行をする動物には腰椎の前弯が絶対条件になるからだ。
基本的に脊椎動物の頚椎は前弯、胸椎は後弯をしており犬や猫のような四足歩行の動物の腰椎は後弯している。
これは四足で重力に負けない構造のためである。
しかし人間は腰椎を前弯させることで二足歩行を可能にし、さらには両手を自由に動かせるように進化した。
・消えつつある”人間らしさ”
私達は生活する上で便利や時短、効率化をある意味では度を返すくらい追求しすぎたのかもしれない。
従来、二足歩行のために作られた腰椎の前弯は現代社会の定番であるデスクワークや車による移動、
さらに今ではリモートワークが加わりその形が消えつつあるという。
日本整形外科学会によれば日本全国で腰痛持ちは3,000万人と推測されている。
・まとめ
名前に「要」と入るほど人体でも重要な役割を果たす腰は、今その役割を果たせなくなりつつある。
前回紹介した小中学生の筋力テストの過去最低値もこの影響が幾分かあるのではないかと感じる。
さて、今ブログを見ているあなたは脚を使った生活をされていますか?
二足歩行こそ人間らしさだと言うことを是非忘れないでほしい。